工事日報の書き方と例文|工種別にそのまま使える3行の書き方(大工・内装・設備・塗装ほか)

公開:2026年11月6日 / 株式会社ユアシス(GenbaLog 開発元)

先に結論

工事日報は、3行と写真で足ります。書くのは次の3つだけです。

  1. どこを(場所・工程)
  2. どこまで(終わった/何割/どこで止まっている)
  3. 明日は何を(次の作業と、誰かに頼みたいこと)

この記事では、基礎・大工・内装・設備・電気・塗装・外構・解体の8つの工種で、そのまま使える例文を載せています。

日報は、誰が何のために読むのか

書き方に迷うのは、読む人が思い浮かんでいないからです。小さな工務店の日報を読むのは、主に次の3人です。

  • 社長・現場監督。知りたいのは「予定どおり進んでいるか」「自分が動くべきことはあるか」の2つです。
  • 明日その現場に入る人。知りたいのは「どこまで終わっていて、どこから始めればいいか」です。
  • 数か月後の自分。お客様から「あの壁の中、どうなっていましたっけ」と聞かれたときに、日報と写真が答えになります。

3人とも、長い文章は求めていません。場所・進み具合・次の予定が分かれば用が足ります。 だから3行でよいのです。

伝わらない日報と、伝わる日報

よくある「伝わらない日報」は、手を抜いているのではなく、書いた本人にしか分からない言葉で書かれています。 少し足すだけで、読む人の手間が大きく変わります。

伝わらない書き方伝わる書き方何を足したか
大工工事2F 床下地の合板張り 完了場所と、終わったかどうか
クロス作業中LDK のクロス張り 完了。洋室はパテまで部屋ごとの進み具合
問題なし水圧テスト 異常なし何を確かめて問題なかったのか
材料待ちサッシ未着のため 2F 窓まわりは止めている。入荷は木曜の予定何が止まっていて、いつ動くか
明日も続き明日は 1F 間仕切りの残りと天井下地次に何をするか

コツは、場所の言葉(1F・2F・LDK・南面)と、進み具合の言葉(完了・6割・パテまで)を必ず入れることです。 この2つが入るだけで、現場に行かなくても様子が分かる日報になります。

工種別の例文(そのまま使えます)

どれも「どこを・どこまで・明日は」の3行です。数字や場所を自分の現場に置き換えて使ってください。

基礎工事

  • 基礎 配筋、南側〜東側の立ち上がりまで完了。
  • スペーサー設置済み。配筋の写真を全周で撮影。
  • 明日は北側・西側の配筋、午後に自主検査の予定。

木工事(大工)

  • 2F 床下地の合板張り 完了。1F 間仕切りの下地は 6 割。
  • 階段まわりの納まりを設計に確認中(返事待ち)。
  • 明日は 1F 間仕切りの残りと、天井下地に入る。

内装(クロス・床)

  • LDK と廊下のクロス張り 完了。洋室 2 部屋はパテ処理まで。
  • キッチン横の壁に下地の不陸あり。パテを 1 回増やして対応。
  • 明日は洋室のクロス張り。午後から床のクッションフロア。

設備(給排水)

  • 1F 洗面・トイレの給排水の配管 完了。水圧テスト 異常なし。
  • キッチンの排水の位置が図面と 50mm ずれ。監督に報告済み。
  • 明日は 2F トイレの配管と、ユニットバスの接続。

電気工事

  • 1F の配線と、スイッチ・コンセントのボックス取り付け 完了。
  • リビングのコンセント 1 か所、お客様の希望で位置を変更(図面に赤入れ)。
  • 明日は 2F の配線。分電盤は金曜に取り付け予定。

塗装工事

  • 外壁の下塗り、南面・東面 完了。北面・西面は高圧洗浄まで。
  • 西面にひび割れ 3 か所。補修してから塗る(写真あり)。
  • 明日は北面・西面の下塗り。雨の予報なら養生のみ。

外構工事

  • 駐車場の土間、砕石の敷きならしと転圧 完了。
  • 境界ブロックは 2 段目まで。水糸で通りを確認済み。
  • 明日はワイヤーメッシュを敷き、午後に生コン打設。

解体・リフォーム

  • キッチンと洗面所の解体 完了。廃材はトラック 1 台分を搬出。
  • 洗面所の床下に水漏れの跡。土台の一部が傷んでいる(写真 3 枚)。
  • 明日、監督とお客様に現地で見てもらってから、補修の範囲を決める。

2行目に注目してください。どの例文も、図面と違ったこと・気づいたこと・確認中のことを1行入れています。 日報でいちばん価値があるのは、この1行です。あとで「聞いていない」「言った」にならないための記録になります。

いつもと違うことがあった日の書き方

予定どおり進んだ日は3行で十分ですが、次のような日は、起きたことと判断を1〜2行足します。

雨で作業を止めた日

10時から雨が強くなり、外壁の塗装は中止。養生を確認して撤収。室内でできる軒天の下地調整を進めた。乾き具合を見て、再開は明後日以降。

材料が届かなかった日

フローリングが未着(メーカー欠品、来週火曜の入荷と連絡あり)。先に建具枠の取り付けを進めた。床張りは来週水曜から。工程が 3 日ずれる見込み。

お客様から追加の相談があった日

14時ごろ奥様が来られ、洗面所にタオル掛けを 1 本追加したいとのこと。位置は窓の右、高さ 1,200mm を希望。下地が必要なので、ボードを張る前に監督から返事がほしい。

ヒヤリとしたことがあった日

2F 開口部の手すりが 1 か所外れていた。すぐ付け直し、全員に声をかけた。朝の確認に「開口部の手すり」を入れる。

書く順番は「何が起きたか → どうしたか → これからどうなるか」です。 言い訳や感想は要りません。この順で書いてあれば、読んだ人がすぐ動けます。

文章より写真。撮るのは3種類

文章で10行書くより、写真1枚のほうが正確に伝わります。日報に付ける写真は、次の3種類を意識すると漏れません。

  • 全体が分かる1枚。部屋や外壁の一面を引いて撮ります。「どこまで進んだか」が一目で分かります。
  • 今日の作業箇所の寄り。納まりや仕上がりが分かる距離で撮ります。
  • あとで隠れるところ。配筋、配管、断熱材、下地。ふさいだら二度と撮れないので、ふさぐ前に必ず撮ります。 数か月後にいちばん役に立つのは、この写真です。

写真に工事名・場所・日時を入れておくと、あとから「いつ・どこの写真か」で迷いません。 スマホだけで黒板つきの写真にする方法は、電子黒板アプリを無料で使う方法にまとめています。

書くのは、現場を出る前

例文があっても、帰宅してから書こうとすると続きません。何をしたか思い出すところから始まるからです。片付けが終わって車に乗る前の3分で、写真を見ながら3行書くのがいちばん楽です。

日報の項目を減らして3分で終わらせる考え方は、工務店の日報をスマホで3分で終わらせる方法で詳しく書いています。LINE に流している日報が探せなくなる問題は、こちらの記事をどうぞ。

GenbaLog で書く場合

弊社が開発している GenbaLog(ゲンバログ)では、ここまでの書き方がそのまま当てはまります。 アプリのインストールは不要で、スマホのブラウザから使えます。

  1. 現場(案件)を開き、「日報を作成」を押す。
  2. 写真をその場で撮るか、撮っておいた写真を選ぶ(最大10枚)。
  3. 天気を選び、作業内容にこの記事の3行を書く。日付は自動で入ります。
  4. 「提出する」を押すと、管理者に通知が届き、日報は現場ごと・日付順に残ります。PDF にしてお客様や元請けに渡せます。

※ この記事の書き方は、民間のリフォーム・新築・修繕での記録と報告を想定しています。 国や自治体に提出する公共工事の書類・写真には、発注者ごとの様式や、改ざん検知のある認定アプリが求められることがあります(GenbaLog は対象外です)。

よくある質問

Q. 日報は「です・ます」で書くべきですか?

A. どちらでも構いません。「2F 床下地 完了」のような短い書き方のほうが、書くのも読むのも速く済みます。大事なのは文体ではなく、場所・どこまで進んだか・次に何をするかが入っていることです。お客様にそのまま見せる日報だけ、最後に一言ていねいな文を足せば十分です。

Q. 何行くらい書けばいいですか?

A. 3行で足ります。「どこを」「どこまで」「明日は何を」の3つです。いつもと違うこと(雨で中止、材料の遅れ、追加の相談)があった日だけ、1〜2行足してください。長く書くほど良い日報、ではありません。

Q. 専門用語や略語を使ってもいいですか?

A. 社内や職人さん同士で読む分には、ふだん使っている言葉で構いません。お客様に見せる可能性がある日報は、「PB」は「石こうボード」、「FL」は「床の高さ」のように、一度だけ言い換えを添えると伝わります。

Q. 職長がまとめて書くのと、一人ずつ書くのと、どちらがいいですか?

A. 5〜30人規模の会社なら、現場ごとに1人(職長や担当の大工さん)がまとめて書く形が続きやすいです。全員に書かせると、内容が重なるうえに、書かない人が出てきます。協力会社の職人さんには、自分の作業分だけ写真つきで出してもらうと、元請け側のまとめ直しが減ります。

まとめ

  • 工事日報は「どこを・どこまで・明日は何を」の3行と写真で足りる
  • 場所の言葉(1F・LDK・南面)と、進み具合の言葉(完了・6割)を必ず入れる
  • 図面と違ったこと・確認中のことを1行。あとで「言った・聞いていない」を防ぐ
  • いつもと違う日は「何が起きたか → どうしたか → これからどうなるか」の順で足す
  • 写真は、全体・作業箇所の寄り・あとで隠れるところの3種類
  • 書くのは現場を出る前。帰ってから書かない

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